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 5月21日

 何事にも縛られたくないと思う思考にすでに縛られている。

 他人の目のを気にしない自由人でいたいと思うが、それが自分の生き様だと思うことで、結局自分の体裁を気にしている。格好つけるのが嫌いだけれど、格好をつけないことが、格好のいいことだと思っているだけで、つまりは格好をつけている。

 もっと素直になれたらいいのになぁ。

 5月17日

 いい意味でも悪い意味でも、周りの普通の人はそんなに深く君のことを気にしてないんていないって。

 5月12日

 見てきた物や聞いたこと

 いままで覚えた全部

 でたらめだったら面白い

 そんな気持ちわかるでしょう

 (『情熱の薔薇』The Blue Heartsより)

 ニュートンはリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則を思いついた、という逸話は誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。他にも、ガリレオがピサの斜塔から二つの異なる重さの玉を落としたという話やアルキメデスが風呂に入ったときに水があふれ出るのを見てアルキメデスの法則を発見したなど有名な逸話は多い。

 ただし、どの話も後世になってから作られた逸話である。ニュートンのリンゴは弟子の一人が書いた伝記の中の創作のエピソードだし、ガリレオがピサの斜塔で実験をした記録も無い。アルキメデスの法則は、そもそも浮力についての原理だから、もし本当に風呂に入っていて気づいたとするならば、水があふれ出たことよりも、自分の体が軽くなったと感じたことがきっかけであるはずだ。

 人間は本に書いてあることをたやすく信じやすい。実験結果とか科学的データとかいう話にも弱い。こういう実験をしたところ、こういう結果が出て、これこれという事実がわかりました。なんて書いてあると、無条件にそれを信じてしまう傾向にある。

 ジェームズ・ヴィガリが行ったサブリミナル効果の実験の話がいい例だ。映画フィルムの数コマにコーラやポップコーンの映像を挟んだら深層心理に働きかけ、コーラの売上が18%ポップコーンに至っては57%も売上が伸びたとされ、サブリミナル効果として広く信じられている。だが、この実験が実際にどのような環境で行われたのかどうかの詳しい論文はないし、ヴィガリ自ら「実験は嘘だった」とも言っている。

 さて、こういう話を読んで、あなたはどう思っただろうか。ガリレオやニュートンの話にしても、サブリミナル効果の話にしても、実はそれが嘘だったという話を、私が直接ガリレオやニュートンに聞いたわけでもなければ、ヴィガリに嘘でしたと謝られたわけでもない。これらが嘘であるという情報もまた私が本やネットで得た知識である。

 となると、当然疑問に思うだろう。それじゃあ同じじゃないかと。コレコレこういう実験をしましたというのも活字から得た知識なら。その事実は嘘でしたという話を知ったのも活字。どちらも同じ情報源なのにどうしてどちらか一方だけを真実と決め付けることができるのかと。

 結局、どちらが正しいかなんて、自分で決めるしかないんだ。ここに書いてあることは全部、私にとっての真実でしかない。

 5月7日

 カマトト。

 「カマボコってはじめて見たわ。カマボコって、トト(魚)からできているの?」と聞いた女性が、「一見トトには見えないのに、どうしてトトだと思ったんだい?」と逆に突っ込まれたことから、よく知っているのに知らないフリをする人(特に女性)をカマトトと言う様になった。

 知らないのに知ったフリは褒められたことではないが、知っているのに知らないフリはどうなんだろう。

 政治家や官僚に多く見られる「記憶にございません」はどう見てもアウト。

 「今日は遅かったのね。」
 「あぁ残業でね。」(ドキッ)
 「そう、大変だわね。」(あんたの浮気なんて当にお見通しなんだからね・・・)
 
は別の意味でアウト。

 「オンラインゲームって知ってるスか?」
 「へぇ、ナニソレ面白いの?」
 「リネージュっていうのやってるんスけど面白いんスよ。やってみませんか?」
 「ふーん。考えとくわ。」
 これはセーフかな。

 ヴィクトリア女王が晩餐会を開いたとき、招待した客が間違ってフィンガーボールの水を飲んでしまい、それを見た女王も知らないフリをして一緒にフィンガーボールの水を飲んだという話を聞いたことがあるけど。ここまでやるとやりすぎアウト。後で本当のことを知った招待客は相当落ち込んだことだろう。

 知らないフリも場合によりけり。あなたのカマトトを実は相手も知っていて知らないフリをしているだけかもしれません。気をつけましょう。